当社では、液体防護用としてタイケムC型防護服、タイケムF型防護服を推奨しています。
タイケムC型防護服は、タイベック生地の上にポリマーコーティングを施したもの
タイケムF型防護服は、タイベック生地にポリマーコーティングを施し、さらにバリアフィルムとポリマーコーティングを施し4層構造になっています。
タイケムF型防護服の方が性能が高いことがわかりますが、どちらの防護服を使用したらよいのか判断に迷うところでしょう。
メーカーのデュポンでは、豊富な化学物質に対して試験データを保有し、こちらのホームページで最新のデータを確認することができます。
残念ながら現在のところ日本語ページがありませんが、検索方法について説明します。
こちらのページでは、タイケムF型、タイケムC型の化学薬品に対する透過データを検索できます。
検索方法では、化学物質名、CAS番号等で調べる方法がありますが、日本で扱っていない防護服素材データも表示されるので、素材を選択して表示させる方が見やすいでしょう。
PERMIATION DATAの一番下の項目で
OR Search Fabric 防護服の生地別で検索に進んでください。
Fabric Name 防護服の生地の名前の▼にカーソルをあてると11種類でてきますが、このうち
Tychem®CとTychem®FをAdd to List>ボタンをクリックして選択してください。
下のようにFabricに2種類の生地が入ったらSee All Chemicals Testedボタンを押します。
下のような表がでてきます。
化学物質の透過データがアルファベット順にすべて表示されます。
表の用語説明
Hazard Name 化学物質
CAS CAS番号(化学物質登録番号)
Physical State 化学物質の状態 Liquid 液体 Vapor 蒸気 Solid 固体
BT0.1mins 標準破過時間 透過率が0.1μg/cm2/分に達するまでの時間
BT1.0mins 標準破過時間 透過率が1.0μg/cm2/分に達するまでの時間
EN EN14325によるクラス分け1~6に分類されています。
表示結果の読み方
Acetic acid(酢酸)では、
2%濃度の酢酸ではタイケムC型で標準破過時間は480分以上を要する
10%濃度の酢酸ではタイケムC型で標準破過時間は480分以上を要する
95%以上濃度の酢酸ではタイケムC型ではimm 即時に破過される
95%以上濃度の酢酸ではタイケムF型で標準破過時間は480分以上を要する
破過時間についての注意事項
- すべての化学物質は、%表示があるものを除いて95%以上濃度、室温、環境圧でテストされています。
- 透過データは温度により大きく変化します。作業される環境が高温の場合透過データのバリア性はないと考えてください。
- 破過時間は安全に着用できる時間と同じではありません。破過時間そのものは防護服が汚染されはじめてからどのくらい着用してもよいかの判断基準として十分ではありません。
- 安全着用時間はその化学物質の透過特性、毒性、ばく露条件により破過時間より長くなることも短くなることもあります。
- 破過時間は、バリア性の指標になるものですが、テスト方法やラボにより結果が異なることもあります。